アートと心中(世界旅行中)

アートとは何かを知りたすぎて、 会社員をやめ、世界中の美術館、アートスポットを巡っています。2020年2月12日よりSan Franciscoからスタート twitter: https://twitter.com/ktrNLQg1cA1b9Ab

アメリカの近代美術館(MOMA)〜なぜアメリカがアートの中心と言われるようになったのか〜

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~世界におけるアートの中心の変化~

第二次世界大戦以降、アートの中心地はパリからアメリカになります。当たり前ですが、戦争をしているところで落ち着いて絵なんて描けやしませんよね。便器にサインをして、これが芸術だ!と言ったことで有名なマルセル・デュシャン様をはじめとするさまざまな重要人物がアメリカに流れました。

当たり前ですが、いつだって革命は人がおこします。また、時代を変えることは一人でできるものではありません。時には、今でいうコミュニティーを形成しながら、様々な人々が影響を与え合い、今まで常識だったことを崩壊させ、ものすごい時間をかけて、ようやっと新たな価値観が一般の人々(マス)にうけいれられていくのです。

現在から過去を、つまり時間軸を反対側から見たときに、芸術のジャンルで歴史に名を残すのには、いろいろなパターンがありますが、最たるものは、当時生きる人々には到底うけいれられないようなあまりにも破天荒すぎる、時代の先をいきすぎる、まじで!その手があるのかよ!といわんばかりのアイデアだったりします。教科書を作る側にたってみると、その作品を契機に、美術界の流れがかわりますといえますもんね。※それだけではないと思いますが…

そして、もちろんそのようなものは、同じ時代を生きる大多数の人に嘲笑れます。でも、いつの時代もそうですが、歴史の流れに敏感な目をもった人々はまじかよ!かっこよすぎるだろ!といって、サポートしたり、はたまた自らも同じ流れを汲んだ作品をつくるようになったり、もしくはすでに同じような考えの上やっていて意気投合してますますその動きが加速していったりするのです。

あまりにも有名ですが、芸術といったら連想される「印象派」というものがありますが(モネ様らへんが有名ですかね・・・光を絵にとりこみ、点々で描いたあれです。)彼らもあれは絵ではないなどと、当時めっためたにばかにされています。今でこそ、印象派の絵はめちゃめちゃ人気ですもんね。時代によって、美しいものの基準・あたりまえなんてかわっていくのです。

なんだか、この現象ってそのままビジネスにも同じことが言えますよね・・・・・・・・おもしろいです。よく経営者が孤独を抱えるなんていったりしますが、まさに時代をひっぱっていくアーティストも同じようなことが言えますよね・・・

さて、話を戻します。人・モノ・金で考えるとわかりやすいかもしれませんが、重要人物がアメリカに移動し、お金に関していうと、戦争による軍事増産によって、アメリカの経済がよくなります。※モノはどうなんでしょうか?しらべてみましたが、わかりませんでした。お詳しい方教えてください…ヨーロッパとアメリカを比べるとそりゃあ、戦争をおこなっている場所では物流はとどこおるでしょうから、画材も不足していたんですかね…

いずれにしても、ヨーロッパと比較したときに、アートの時代をつくっていくような期待の人物が流れてきたこと、お金があったことで、世界におけるアート市場の中で、アメリカ様が世界をひっぱていくように、優位になったわけです。

~中心がアメリカに移りつつある頃~

物事は何でもそうですが、誰の立場から見るかでまったく異なる顔をみせますよね。芸術・アートも同じです。主な登場人物・組織としては、国・投資家・アーティスト・販売会社(オークションや画廊)があげられると思います。

まず、国の立場からアートを見たときに、「文化」というものは金で買えません。何年もの営みが積み重なりできるものですからね。どうやら基本どの国も自国の文化を保護したい、また育てたいとおもっているようです。となると、国家にとっての重要な関心ごとですよね。

題名には、SFMOMA(サンフランシスコ近代美術館)と書きましたが、ちょっとここでNYMOMA(ニューヨーク近代美術館)のお話をします。なぜならNYの方が先に開館されているので、設立の経緯や思いが、凝縮されているのでは?とう仮定のもとです。もし、SF MOMAの詳しい設立の経緯などしっている方がいたら教えてください。

NY(New York) MOMA ➡1929年 開館 ※ウォール街で金融恐慌

SF(San Francisco) MOMA➡1935年 開館

NY MOMAの開館にもっとも深く関係しているのは、アートコレクターでもある、あの有名なロックフェラー様です。米国三大財閥ですね。ここでは、投資家として考えましょう。

モダンアートは1900年ごろからヨーロッパで徐々にきていましたが、まだまだ少数派でした。アートコレクターのロックフェラー様からすると、所有しているモダンアートに正当な評価を与えてくれる場所をもとめていたわけです。ここで、アメリカで現在アートの美術館を設立したいMOMA側と、アート収集家(投資家)のロックフェラー様の利害が一致するわけです。

ここで個人的な意見なんですけれども、世界恐慌の時に多額の資産を投資して美術館をつくったのがすげぇと感じます。だって一般的には、不景気になるとアート市場ももちろん縮小するっていいますし・・不景気だからだれもきっとそんなことしませんよね。とても勇気が必要です。逆張りですね。多額の資産があるからこそできることですよね。だからこそ、現代アートといえばMOMA的なポジションをとれたんですかね。先行利益ってやつですね。

ちなみに、美術館にいってときにとなりに解説ってついていますよね。これってNYMOMA初代館長のアルフレットバーさんが考えたそうです。

これが、MOMAの開館の背景です。こういった背景を知った上でまわると、作品を見て回るだけでは感じないことを感じられて、またおもしろいですね。

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